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妄想プロダクツ
注文住宅に携わっていますとデジャブというものがありません。
これ前もあったな、という出来事にここ数年遭遇していないことに気がつきました。
それだけお客様それぞれに異なるこだわりがあるのかなと。
実際、目に見えるデザインの好み、光や照明、風の量の感じ方、キッチンや暖房設備の性能に至るまで、
良いと判断される基準は全て違います。提供するメーカーからも様々な機能がアップデートされるので
デジャブなど起きようがないのです。おかげさまで常に新鮮な毎日でもあります。
今年春先のこと、とある打合せでトイレに対するご要望を承った際、恥ずかしながら初めての機能に出会いました。
それはTOTOネオレストRH2W, もしくはRH1
温風乾燥機能つき。
便座が暖かいうえに、あたたかい風まで吹かせてくれる謎のオプション。
本当に知らなかったので何度もお客様に聞き返しました。温風? え、温風? どうして。。
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日本人のトイレ事情はどうだったのでしょう。
日本レストルーム工業会によると、日本最古のトイレは「縄文・弥生時代」に生まれた、とあります。
竪穴式住居の中ではなく川へ放流していたところから日本のトイレが始まります。
紀元前300年から紀元後300年のおよそ600年の放流を経て
鎌倉〜江戸時代は農業への再利用もかねた汲み取り式へと移ります。
そして明治時代には初めて腰かけ式の洋風便器が登場しますが、本格的に普及をしたのは
昭和中期1959年まで時間を要しました。
それから半世紀とちょっとで、日本のトイレは温風を吹かせるまでに進化するのです。
思えば、2千と数百年のあいだ散々しゃがんできたはずなのに、
洋式トイレの便利さに気が付いた途端、本家が進化させてきたスピードを
一瞬で置き去りにする速さで日本のレストルームはシャワーノズルを生み出し、蓋を自動で開閉せしめ、
温風まで提供するようになったのです。
この過程をずっと見ている人がいるとしたらちょっと引いてるのではないだろうかと思うほど、
どの業界のどの製品より、圧倒的に進化したのは便座なのではないでしょうか。
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こと、自分のトイレ事情はというと、
人より胃腸のつよくない幼少期、トイレには複雑な感情を抱いていました。
このタイミングでトイレに行って良いのかなという周囲の空気を読む感じ、
その間のちょっとした我慢から起きるおなかの軽い痛み、いざトイレに入り扉を閉めた時の密室間。
完全なプライベートスペースはテンションを少し上げてくれました。そして体から異物が流出する気味の悪さ。
緊張と弛緩とまた緊張の連続でした。
ちょうどそのころ、TVっ子でもあった私はよくロボットアニメを見ていました。
とある有名な番組のおそらく序盤。
意図せず戦争に巻き込まれた主人公は、仕方なくロボットを操縦する羽目となります。
おそらく空襲で車が横転し土がむき出しになった道端で、放り投げられた操作マニュアルを必死に読み、
(イメージ)
命からがら操縦席に向かいます。
(イメージ)
扉が閉まり操縦桿やスイッチに囲まれた密室で、いよいよ初めての操縦。緊張でお腹が痛くなる主人公。
(イメージ)
なお、この時点で完全に主人公とトイレに座る僕は妄想のなかでシンクロしてます。
密室×緊張感 の組合せがいつも便座をコクピットに変えてくれたのです。
主人公はついに操縦桿のスイッチを押し、決死の思いでビームライフルを発射するのです。
(イメージ)
やー!
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今回は、壮大な日本のトイレの歴史と個人的な体験を基に
妄想の製品を紹介することにしました。
妄想プロダクツ #001
ネオレスト RX-78
ただの0.5坪トイレをアミューズメントに変える新たな提案です。
既存のトイレをコクピット型の装置で囲むだけ。
トイレの各操作はレバーで対応。お掃除道具やトイレットペーパー収納も沢山あるので奥様も安心です。
妄想小売価格 78万円
再生ボタンでRX-78がぐるぐる回ります。