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仕事全般

天井を塗る

築40数年のアパートを改修することになりました。完成までの出来事を少しずつ書きます。

 

一. 「どうしても、天井だけは、漆喰に。」

内部は基本古びているのですが、天井の凹凸があるモルタルをどう仕上げようか考えたすえ、漆喰を塗ることにしました。

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二. 「このくらい、自分で塗れると、思ってた。」

オーナーの予算が無いので、出来そうな所は自分でやろうみたいな空気になり、「自分達で塗っちゃおうぜー」ということになりました。

なお、この時点で現場の皆さんからは止められてます。

三. 「材料は、うまく塗れ~る、市販だよ。」

ホーマックで、まんま商品名の材料を買いました。モルタルに塗るので下地用と仕上げ用。丁寧に無料の「施工DVD」までありました。

30分位の動画は 「最大のコツは楽しむこと!」で終わりました。この時点で少し不安になっていますが、もう後には引けなくもなっています。

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四. 「勢いは、最初の10分、あと地獄。」

それなりに準備をしてスタートしましたが最初のひと塗りで現実を思い知らされます。”あなた達が塗るのは壁ではなく、天井なのだよ”と。

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五. 「戻れない、一回塗ると、戻れない。」

こて、ゴムべら、スクレーパー、使えそうな道具でワイワイ塗るのですが、思いのほか(というか当然に)苦戦します。

腕を上げながらの作業、という事以上に、全面仕上げるまで投げ出すことが出来ない、という役務が重くのしかかってくるのです。

現場の空気が暗くなりそうで、たまらずメンバーの一人が「平日は建築士、休日は塗り壁マン」と言ってくれたのですが、何に起きませんでした。

後から聞けば、割烹着を装着することで変身する設定だったそうです。

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六. 「後半は、悟りが開くよ、こて作業。」

延べ何時間塗った事でしょう。下地用と仕上げ用18リットル缶を2缶ずつ開けて、1フロアの天井を仕上げました。

天井に向け腕を上げて塗り続ける作業、この日のうちに終えなくてはいけないプレッシャー、目の前の漆喰が霞んで見えるほどの緊張の先に、

筋肉痛を通り越していつまででも塗れるような感覚が起きる時間帯もありました。これはきっとヌリカベーズ・ハイ。

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七. 「結局は、楽しかったと、言いたいのです。字余り」

他のフロアはプロにお任せすることにしました。今回、身をもって左官屋さんの偉大さを知ります。職人さんは本当にすごい。

ただ、こんな仕上がりでも自分の手で苦労して作った部分は愛着が湧くものです。

頭だけでなく顔や体に落ちてくる漆喰に耐えながら、少しずつモルタルの灰色を白に埋めていく時間は多分記憶にこびりついたような気がします。

良い経験をさせてもらいました。

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改修は再来月ごろに終わる予定です。

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