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建さんのほろ酔いカクテル入門 第8夜
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建設会社に勤めるサラリーマンの建さんが、自宅のご近所にあるカクテルバーでマスター相手に夜な夜なカクテル談義。
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第8夜「ソル・クバーノ(キューバの太陽)」
室蘭市内のとあるカクテルバーのカウンター。20時。
建さん:「また来ちゃいました」
マスター:「いらっしゃいませ」
(カクテルリストを眺めて、オーダーを考える建さん)
建さん:「すっきり飲みやすいのをおねがいします」
マスター:(少し考えて)「承りました」
建さん:「姿形もずいぶんすっきりしたカクテルだね(一口飲んで)ん、これは飲みやすい!ラムベースのカクテルでしょ?なんていうカクテルなの?」
マスター:「ソル・クバーノ。『キューバの太陽』という名前のカクテルです」
建さん:「キューバ発祥のカクテルなんだ」
マスター:「いいえ、実は日本人が考案したカクテルなんですよ」
建さん:「え、そうなの?それにしてもグレープフルーツとトニックウォーターのダブルの苦みをラムの柔らかい甘味がいい感じで受け止めてる。カクテルは洋酒文化の粋だと思うんだけど、日本人もなかなかやるねぇ。」
マスター:「国内で開かれたあるカクテルコンテストで優勝したレシピですが、当時トロピカルカクテル全盛期でもあったので、全国のバーに一気に広がりました」
建さん:「そういえば、そんな時代もあったなあ。トロピカルカクテルの既製品(pre-mixed cocktail)も出回って、グラスに注いで氷をぶち込むだけの、なんちゃってカクテルがあちこちの居酒屋で出されていたね。」
マスター:「カクテルが身近になったことは、良かったのかもしれませんが、既製品のカクテルを飲んだお客様に『カクテルなんてこんなもんか』と思われてしまうのは、残念です」
建さん:「トロピカルカクテルブームが、必ずしもカクテル文化の振興につながったわけではなかったということか。何事も、普及させながら質を維持する、ということは、難しいことだね」
マスター:「建さん、何かお代りをお作りしましょうか?」