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建さんのほろ酔いカクテル入門 第7夜
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建設会社に勤めるサラリーマンの建さんが、自宅のご近所にあるカクテルバーでマスター相手に夜な夜なカクテル談義。
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第7夜「ダイキリ:文豪ヘミングウェイが愛したカクテル」
室蘭市内のとあるカクテルバーのカウンター。20時。
建さん:「また来ちゃいました」
マスター:「いらっしゃいませ」
(たまたまカウンターにおいてあったラムの瓶を眺めながら、座る建さん)
建さん:「ラムベースのカクテル、このごろ飲んでないなあ。ダイキリ、おねがいします」
マスター:「どのように、飲まれますか」
建さん:「へ? 飲み方がいろいろあるの?」
マスター:「フローズン・ダイキリとショートタイプのダイキリがございます」
建さん:「…後のやつを」
マスター:「承りました」
建さん:「フローズン・ダイキリって、そこら辺の居酒屋チェーンで良く出てくる『な~んちゃってカクテル』かと思ったよ。フローズン・ダイキリってちゃんとしたカクテルなんだ」
マスター:「レシピは少し違いますが、かの文豪ヘミングウェイがこよなく愛した由緒あるカクテルですよ」
建さん:「ほう。お見逸れしました(笑)ダイキリは、ギムレットと似たレシピだけど、ベースがラムなので、甘い香りが広がるね。ところでダイキリって…」
マスター:「名前の由来ですか?17世紀の終わりころ、キューバの『ダイキリ』という鉱山で働いていたアメリカ人鉱山技師が、あまりの暑さにうんざりして、キューバ特産物のラムにライム・砂糖・氷を入れて作った飲み物で涼をとったのが始まりといわれていますね」
建さん:「灼熱の地の工事現場が生んだカクテルか。暑い日なら、確かにフローズンにしたほうが渇いてひりひりする喉を一気に冷やせるね。とはいえ、零下の今夜の室蘭じゃ、フローズンは、食指が動かないや」
マスター:「確かに、今夜は寒いですね。何かお代りに温かい飲み物でもお持ちしましょうか?」
(続く)