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法律
『ところで瑕疵担保責任って何?』前編
U編集長
不動産に関するいろいろを法律面で解説する不動産法律相談所
記念すべき1回目は、瑕疵担保責任についてです。
解説いただくのは、鈴木一嗣法律事務所所長、鈴木一嗣先生です。
鈴木先生よろしくお願いします
S先生
よろしくお願いします。
U
相談所の場所は、おばんざいカエル
S
・・・
何で相談所が居酒屋なんですか?
U
早速、鋭い質問ですね
S
全然鋭くないですから
女将
いらっしゃい
U
ダレノガレ明美にチョイ似てません?
U
笑顔で否定しない。。。わかりやすい
ところで先生とご縁をいただいたのは10年以上前の話ですが覚えていますか?
S
忘れたくても、忘れられないですね(笑)
U
当時の私はまだ20代(ギリギリ)でした
何もわからない私にはなかなか重い打合せがご縁のきっかけ
S
懐かしいね
U
重い内容の打合せ、難しい資料、硬い言葉の連続、笑いのない空間
なんでこんなに疲れるんだ!っていうのが打合せの感想であり、先生の第一印象です。
S
いきなり批判(笑)
U
いえいえ。少々。。。
というのは冗談で弁護士の先生への法律相談は一般の方には少々敷居が高い
と前々から思っていました。その敷居を下げるために敢えて居酒屋を相談所にして
軽い打合せ、簡単な資料、柔らかい言葉の連続、ダレノガレ明美似の女将(多分)
そんな法律相談の場を創ってみたいと思いここを相談所にしてみました。
S
なるほど
趣旨は理解しました
U
硬い!
では乾杯
本題の瑕疵担保責任、ところで瑕疵って何?
U
なんで店の名前カエルなんですか?
女将
帰るとカエルをかけているの
U
帰りたくなる店という感じですか?
女将
家庭料理的な食事が中心だから、家に帰る(カエル)感じで来てもらいたい
U
シンプルでわかりやすい!
ところで瑕疵ってなんですか?
法律の敷居が高い理由の一つは難しい漢字、わかりにく!
カエルと帰るくらいわかりやすくして欲しい!
S
なるほど
では解説します
瑕疵とは
きず、欠点、過失などの意味。法律用語としては,簡単に言うと、何らかの欠陥があることを言います。
「瑕」も「疵」も、「きず」という意味があります。
U
「きず」と言われると「傷」しか思いつかない
なんで傷を素直に使わないのかな~
S
それは知りません
ただ、雑学的な知識をご紹介すると
「たまにキズ」ということわざ知っていますよね
U
知ってますよ
S
「たまにキズ」のキズは傷という字ではなく瑕を使うんですよ
ちなみに「たまに」もまれに的な意味の「たまに」ではなく「玉に」なんです
U
何と!
S
宝玉の表面にできたきずのことで
それさえなければ完全なのに、惜しいことにほんの少しの欠点がある状態を指します
U
おお!
さすがの法律知識からの雑学王的なトーク
一回目からいい感じです
S
なんか馬鹿にされている感じがする
ということで不動産売買で使われる瑕疵とは、売買の目的物である土地・建物が、通常有すべき「品質」や「性能」を欠くことをいいます。
女将
お通しです
U
美味しい!
S
美味しいね。なんだろこの味・・・
見た目焼きそばのカルボナーラ?
U
明太子っぽ味が・・・
女将
イカゴロが入ってます
(イカのワタの事を北海道ではゴロと言います)
S
イカゴロ苦手なんだ
U
いやいや、今美味しいって言ったし
ピーマン苦手な小学生がピーマンと気付かずに食べちゃうみたいなレベルですよ(笑)
S
失礼な
ではついでに法律用語解説すると
不動産売買で隠れた瑕疵ってあるよね
U
あります
S
「隠れた」という定義は
買主が取引上必要な普通の注意で発見できないこと
を言うんだよ
U
なるほど
S
不動産の売買契約の際、売主が
問われるのは隠れた瑕疵に対しての責任であって
売主は、買主が普通の注意で発見できる瑕疵の責任は、瑕疵担保責任によっては問われないんです
逆にいえば、買主は普通の注意で発見できる瑕疵については
基本的に売主にその責任を問うことはできないんだよ
U
へ~
S
ちなみに注文住宅のような請負契約の場合には
隠れていてもいなくても、瑕疵があれば、施主は、施工会社に対して責任を問うことができるんです。
だからあまり理解されていないけど
注文住宅における請負契約と建売住宅などで行われる売買契約では
瑕疵担保責任についての考え方が違って、追及できる責任の範囲が異なるんだよ
U
知識あるつもりでしたが、それは知りませんでした
S
だからこのお通し
S
このお通しを例にすると、ネギ嫌いがこのお通しを食べた後で、ネギが入っていることを瑕疵だと言えない
それは、普通に注意すればネギが入っていることは発見できるから
しかし、イカゴロが入っていることを瑕疵だと言うことは可能です
なぜなら、普通に注意してもイカゴロが発見できず気づかないからです。
これは隠れていると言っていい。飲食店の食材の種類で瑕疵担保責任を問題にすることはできませんが、隠れているかどうかの説明として強引にしてみました。
却って分かりにくくなりましたかね。
U
何と!
苦手な食べ物を正当化する法律トーク
しかも不動産用語にからめるところが見事です
S
ありがとう
U
改めて整理すると
瑕疵とは、売買の目的物である土地・建物が、通常有すべき「品質」や「性能」を欠くことをいい
それを担保する責任ですから、「品質」「性能」を有していない場合は、損害賠償等の請求ができることを
瑕疵担保責任と言うのですね
また、不動産売買の場合は隠れた瑕疵にのみ責任を求めることになり
隠れていない瑕疵は、事前に発見し、修理、減額等の交渉をして条件を詰めてから売買契約を締結することが大事ということですね
S
そういうことになります
U
なるほど、法律トークが続くと食事が進まないので一端食事に専念しますか!
後編に続きます
前編終了